「ありがとう」で変わること

たったひとことでいろんな人が幸せになれる。

たとえば「ありがとう」はそんな魔法の言葉です。

そんな当たり前(?)かもしれないことが、意外といつもの心の中から消えてしまっていることが多いと思いませんか?
僕は最近、あらためて思い出すチャンスに出会いました。


あるひの授業を終えて帰宅途中のことです。

ちょっと疲れ気味の体を自転車に預けながら、近所のホームセンターに寄り道をしなくてはいけない用事を思い出しました。ホームセンターが大好きな僕としてはささやかな気分転換、ちょっとペダルを早めてお店に向かいました。

さて、店の前に到着です。

移動のあとはどうしても一服したくなってしまうのが喫煙者の性。今回も例外でなく、缶コーヒーを片手にエントランスの縁石に腰をおろして …シュボッ!

(あぁ〜ウマイ〜…)

程よい風が心地よい夕暮れのホームセンター前。ぼんやりと煙を眺めていたら、どこからともなく清掃員のおばちゃんが登場してきました。お店でパートとして働いてるんでしょうね。年のころ七十台とみえました。

夕方から夜にかけては買い物客でごったがえしていることが多い場所。
とうぜんお客さんの大半は

 「なんや邪魔やなぁ」

的な顔をしておばちゃんの側をそそくさとやり過ごし、
おばちゃんは

 「すいませんねぇ…」的

そして他人行儀な顔をしてゴミやらなにやらをせっせと拾い集めています。

 「ふ〜ん…」

と首をかしげてしまった僕。

だって、気持ちよく買い物にこられるのも掃除のおばちゃんが毎日クリーンナップしてくれているお陰なんですよ。日ごとにゴミや吸い殻、空き缶なんかが溜まっていったらこりゃ大変です。
遠からず閉店セールを迎えることになるのは目に見えているわけで、しかしお客さんは「知ったことじゃない」ような雰囲気で、頭ごなしな態度をとる人の多いこと多いこと。

どうなってるんでしょ。
こうして観察してるとおもしろいですね。

そうこうしているうちに、おばちゃんは寂しそうにたたずむ灰皿君の掃除をはじめました。吸い殻を大きなポリバケツにうつして、皿の上の灰をぞうきんでふきとって、地面におちた灰や吸い殻もササッと取り除いて、一分もたたないうちに綺麗にピカピカにしてしまいました。慣れたもんですね。灰皿君も大喜び(のはず)です。

…傍らにはまだタバコをくわえた僕。

おばちゃんがあまりにすっきり綺麗にしてくれたので、その上から灰をおとすのも申し訳ない感じです。
そんな感情を押し殺すように、去り際のおばちゃんにこう言いました。

「綺麗にしてくれてありがとうね、おばちゃん!」

おどろいたように、くぼんだ目でこっちを見るおばちゃん。
そのまま黙って行こうとしたのですが、数秒の間のあとにふと振り返ってこう言いました。

「ありがとねぇ!」

にっこり。
そのときの笑顔が焼き付いて離れません。
ちょっとくしゃくしゃのステキな笑顔。

きっとこんな会話がなされることなんてほとんどないんでしょうね。彼女にとってこれがやりたい仕事なのかどうかはわかりませんけど、おばちゃんの笑顔をみるに、それなりの使命感をもって掃除に取り組んでいるのは間違いないのですよ。

偶然にも傍観していた景色のなかに何だかものすごく深いドラマが込められていたようで、そんな場面に居合わせ、参加できたことがちょっぴり嬉しかったです。

おばちゃんがいたことで僕はアレコレと考えて、たまたま口にした言葉がおばちゃんの心をあたためて、お返しに僕の心もあたためられました。

わずか10分程度の時間をもって、
この日が特別な一日にかわりました。


みなさん、どう思いましたか?

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2010/10/08 | コメント/トラックバック(0)|

カテゴリー:日記

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